水分摂取の注意点
暑くなってくると水分を充分にとらなければ熱中症になってしまいます。
障害があってもなくても同じです。
脱水にならないように、ある程度は水分をとって欲しい・・・でもうまくいかない。
そんな状況、焦りますよね。
水分摂取の介助が必要な子への介助にもポイントがあります!
ポイントを押さえて安全に水分摂取の介助をする方法を紹介します。
水分が取れないと
水分が不足すると身体に症状がでてきます。
最悪、命にかかわることもあります。
このようにならないためにも、もう一度水分について考えていきましょう。
飲み方
水分を飲むときの方法として
・コップで飲む
・スプーンで飲む
・ストローで飲む
があります。
どの方法がよいかは、子どもや状況にもよります。
コップ飲み
メリット :
デメリット:一気に大量の水分が入る危険あり
スプーン飲み
メリット :吸う(啜り取る)練習になる
デメリット:介助者の手間が増える
ストロー飲み
メリット :外出時、介助者が楽
デメリット:くわえ込み等の悪い癖がつきやすい
普段から口が開きっぱなしの子に対してストローを使うこともあります。
どちらかというと「シャボン玉」や「吹き戻し」などを使う方が圧倒的に多いですが・・・。
介助の仕方
介助をするときに注目する箇所があります。それが唇です!
ポイントは2つ!
介助で気をつけたいのは子どもの唇の位置です。
① 下唇にコップのフチをつける
② 上唇を水面につける
ポイントは上下の唇を何に使うか?
下唇にコップが当たれば「何か食べるのかな?」を気づくことができます。
上唇に水が当たれば「液体だ。噛むんじゃなくて吸えばいいんだ」と気づきます。
姿勢は少し前傾
背筋は伸ばして食べた方がよい、と思われるかもしれません。
本当にまっすぐだと液体は飲みにくくなってしまいます。
ちょっと頭を前に倒すことで上唇が水面につきやすくなります。
こんな便利グッズも
コップにも様々なタイプが売られています。
なかでもオススメがこれ。
普通のコップだと、介助をしているときにコップが子どもの鼻にぶつかりやすいです。
しかし、このカットコップを使うと鼻に当たらず飲むことができます。
本当に重宝します!
水分の加工
液体を加工?と思われるかもしれません。
加工というのは液体の形や性質を変化させることです。
水やお茶をドロドロにしたり、硬くしたり。
子どもに合った形状にすることで安全に水分をとれるようになります。
水分の流れが早過ぎるので飲みにくい子
液体は口に入ると一気に喉の奥へと流れ込んでいきます。
流れ込む速さに対応できないとムセてしまうのです。
そういう子に水分をそのまま飲ませることはありません。
流れ込むスピードを遅らせるために加工が必要です。
そのときは・・・
とろみをつけます。
とろみをつけることによって、喉の奥へと流れるスピードがゆっくりになります。
水分につけるとろみの強さによってスピードを調整できます。
ネバネバぐあい(粘度 / 粘稠度)が強くなれば動きもより遅くなります。
口の中からこぼれてしまう子
水分は一定の形を持ちません。
一度コップから出ると流れ続けてどこかに行ってしまいます。
そのときは・・・
ゼリーにします。
ゼリー状にすることで水分にまとまりが出来ます。
口の中でも保持しやすいのです。
水分はこぼれるけれど、固形物なら上手に食べている。
そういう子には水分をゼリー状にすることがあります。
注意点
ここでは介助者がやってしまいがちなミスを紹介します。
・一口で飲ませる量が多すぎる
・息を吸っているのに水を入れる
意外と多いミスですが危険です!
一口の量を調整する
水分をあげればあげるだけ飲む子がいます。
どんどんあげると、どんどん涙目になってきます。
本当に飲めているのでしょうか?
水分を飲むときには、一度口にためて、準備ができたタイミングで嚥下します。
準備ができないまま次から次に注がれる。
もしも自分がこんな介助をされたらどうですか?
こんなの恐怖でしかありませんよね。
一口あげる
↓
ゴックン
↓
次をあげる
というふうに子どもの様子を
呼吸を気にする
人間は食べるとき
息を吐く
↓
食物を飲み込む
↓
息を吐く
という呼吸をしています。
これが狂うとムセたり苦しくなったりしてしまいます。
変なタイミングでの飲み込むことになるのです。
息を吸ってから嚥下するのは、できないことはありませんがつらいです。
呼吸を見るということも大切なのです。
まとめとして
今回は水分摂取の介助についてポイントを説明しました。
固形物が食べられる=水分も問題なく飲めるというわけではありません。
水分摂取も子どもに合ったやり方が必要なのです。
それを覚えて実践することで、自己のリスクが減ります。
ぜひ頭の片隅に置いておいてください!