目の発達って?自然と身につくものなの?
赤ちゃんは生まれてすぐに大人と同じようにものが見えるわけではありません。
生活や遊びを通して物を見るのが上手になってくるのです。
ある日、突然、見えるようになるのではありません。
では、「見る力」はどのような発達をたどるのでしょうか?
また、障害を持つ子の場合はどうなのでしょうか?
今回は、目の発達について説明します。
「見えること」と「見ること」
目が見えていれば、見比べたり選んだりすることができるのでしょうか?
「見ること」と「見えること」は混合されがちですが違います。
視覚の発達
視覚とは目で見て認識するということです。
0ヶ月
・20~30cm先のものしか見えない
2ヶ月半
・養育者と目が合うと笑う
・色よりもふちや境界線を好む
3ヶ月
・パターンのあらゆる部分に興味を見せる
・上下左右に動くものを目で追う
・両眼視
・近づいたり遠ざかっても目で追える(両眼運動制御)
・物が顔のそばに近づくと両眼を鼻の方に寄せて見る(輻輳)
4ヶ月
・すべての色を見分けられる
5~7ヶ月
・物の位置が把握しやすくなる
⇒奥行や位置関係を把握する能力が発達する時期
⇒粗大運動と微細協調運動の能力も発達する時期
6ヶ月
・両眼視が定着
⇒平面よりも立体的なものを好むようになる
1歳ころ
イメージを働かせた動きやパターンを模倣できる
・いつ見ても同じものだと認識できる(形の恒常性)
・見たいものに着目できる(図地分離/図地分化)
※この頃には、はっきり目の焦点を合わせてみる能力が育っている!
視力の発達
新生児 0.01~0.05
1歳 0.1程 度
2歳 0.3程 度
3歳 1.0
視覚の発達
「視覚」とはどのように見えるか?です。
視力だけではなく、色、大きさ、距離、空間などを把握するための力です。
これから様々な学習が始まります。
それらを身につけていくために必要となる基礎の力。
それが「視覚」なのです。
視覚の発達はこちらの記事もどうぞ
まとめとして
目と耳は、ある程度成長しないと大人と同じように使うことができません。
問題がなければ成長とともに発達が進んでいきます。
しかし、障害を持つ子の場合、自然と獲得できなかったり、躓いたままだったりすることがあるのです。
だからこそ、今どのくらいの見る力を持っているのか?を知ることが大切なのです。
それを知ることで子どもの視点に立った評価や支援へとつながっていくのです。
よかったら参考にしてみてくださいね。
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参考資料
◆発達障害の子どもの視知覚認知問題への対処法
親と専門化のためのガイド
◆ヒトの視覚の発達と発達心理学
小枝達也
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmbe1987/12/7/12_7_89/_pdf