言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを模索しています

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障害児の遊びを発達年齢別に考えていくと遊ぶことの意味が見えてくる!

遊びを通して学ぶこと

子どもは遊びを通して様々なことを学びます。

障害のない子であれば、自分の力で、様々なものを吸収していきます。

今回は、定型発達の子の遊びから、障害のある子への支援でできることを考えていきます。

 

 

遊びで外の世界を知る

遊びといっても様々なものがあります。今回の話しは玩具を使った遊び中心です。

子どもが遊びを通して学ぶことは、

・自分の身体像をつかむ

・自分の外には何があるのかを知る

・物と自分の関係を知る

これらからルールを学んでいきます。それが社会を知る力へと育っていくのです。

 

 


なぜ玩具を使うのか

遊びと聞いて、まっさきに思い浮かぶのが「玩具」です。

玩具は市販のおもちゃだけではなく、手作りもの、石や木片などその辺に落ちているものも玩具となります。


玩具(物)があることで・・・

子どもは玩具に気持ちが向かいやすくなります


玩具その物の感触や使い方、名前等に意識が向きます


玩具を通して、人に意識が向きます

・「子ども」と「物」(二項関係)

・「子ども」と「物」と「大人」(三項関係)

玩具で遊ぶことがコミュニケーションの土台になるのです。

子どもは、玩具があればそこに意識が向きます。

逆に、そこに人しかいなければ、気持ちは大人に向いてしまいます。

 

 


年齢別遊びの拡がり

0歳

前半は、自分の手に気づいて動かしてみる等、自分の身体で遊んでいます。

指に気づいてしゃぶってみる。触る、口に入れて確かめるがメインです。

いろんな手触り、重さ、色、形、音、材質などを感じられるようなもの

今まで仰向けで寝ていたのが、腹ばいになり、座れるようになります。

座れるようになると、視界も拡がるので、興味の幅も拡がってきます。

この頃は、自分一人で遊んでいます。

 

 

1歳

歩けるようになるので、自分で探索できるようになる時期です。

手を使って、物を「出したり入れたり」するのを好みます。

自分の周りに物を集めたがるので、充分な玩具の量と空間が必要です。

 


2歳

他者の存在に気づくようになります。

他者のことをよくみるようになり、模倣遊びができるようになってきます。

これまで学んだことをもとに発展させていく時期ですので、他者と遊ぶ経験が求められます。

「塗り絵をするからクレヨンを準備する」

「積み木を並べて線路を作る」

のように遊びに目的が生まれて、規則もできてきます。

人形相手に遊んであげられるようにもなってきます。

(人形の足を持って投げるのは違います)

自分自身に気づく時期でもあるので、個人をより大切に扱うことが求められます。

そのため、大人は話し方や説明の仕方には気をつけましょう。

 

 

遊びを通して問題解決

遊びを通して、問題を解決する方法も学んでいきます。

例えば、人形を取った・取られたのケンカ

実際、大人は「かわいそうに」と、取られた子ばかり大事にしがちです。

確かに、取った側は「間違った方法」をしてしまった。改善しなくてはいけない。

しかし、それだけでは不十分です。

取った側も、取られた側も大事にされているという視点が大切です。

 


特に2歳頃の子は様々なストレスが「人形を投げる」等の乱暴な動作となって表れることがあります。

そういう子に「なんでそんなことするの?」と起こっても何も解決しません。

大人が人形に対して「痛かったね。でも大丈夫だよ」と言って見せる。

子ども自身に「人形にあたっている自分に気づいてもらう」ことも大切なのです。

子ども自身が肯定的に解決できるようになるには、どうすればよいのか?がを知ってもらうためのに手伝う、といことがポイントです。

 

以上が、定型発達の子(障害のない子)の遊びです。

では、障害を持った子への「遊びの支援」は何に気をつければいいのでしょうか?

 

 

障害を持つ子への遊び支援

歩けて喋れる子がいれば「知的には年長さん(5~6歳)くらい」と評価しがちです。

はたしてそうなのでしょうか?

私が働いている施設にはたくさんの子が通っています。

すべての子に発達検査・知的検査を行ったわけではありませんが、知的には

・肢体不自由の子は0歳代

・ダウン症の子は2~3歳

・発達障害の子は小学校(低学年)

くらいの子が多い印象を受けます。

もちろん個人差はあるので、実際にはもっと高い子もたくさんいます。


高過ぎる評価は、子どもへ高い課題を設定してしまいがちです。

それは注意していきたい点です。


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子どもに合った遊びなのかを探る

保育では様々な遊びを提供しています。

大前提となるのが子どもがその遊びを受け入れられているのか?を判断しながら遊びを進めるということです。


感覚的に受け入れられない子もいます。

やり方を理解できない子もいます。

 


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目の前にいる子に「合った遊びなのか」を知るためにはどうすればよいのでしょうか?

やり方はいろいろあると思いますが・・・

①まず大人が主導権を持って、その子と一緒に遊んでみる

②大人が抜けて、子どもが一人、玩具で遊ぶ状況にする


大人が抜けた後にも遊び続けるようなら、その子は「玩具で遊べている」と判断できる。

遊びを止めてしまうならその子は「大人と遊んでいただけ」ということになります。

玩具と遊んでいるのか?大人と遊んでいるのか?

「楽しい・楽しくない」は別としても、それが「合った玩具なのかどうか?」ということが分かります。

 

 

 

遊びの空間づくり

遊び空間も「分かりやすく」することが鉄則です。

・同じ場所で複数の遊びを同時に展開させない

・あそびの種類が同じものは、同じ場所においてあげる

遊べる場所が限られている、というケースもあると思います。

その際は、パズルやヒモ通しなどは机の上で、ままごとは床で、と場所の区切れを明確にした方が集中できます。

 

 

 

片付け

子どもは、無理にやらせても拒むだけです。

大人がやっていることを見て学びます。

大人の動きを見せる。さらに、玩具の置く場所は決めておく。

決まった場所があれば「やるべきこと」が明確になるので、そこに戻します。

これがルールの理解につながります。


子どもの知的な年齢を把握することが大切です。

理解度に合わせた玩具や遊びの選び方、環境設定をすることで、子ども自身「いま何をするのか」が分かりやすくなります。

 

 

 

まとめ

発達年齢によって「今やっておきたい遊び」というものがあります。それは今後の発達のための土台となるからです。そのため実年齢(生活年齢)だけで遊びを決めてしまうと子どもが興味を持てない等、うまくいかないことが多いのです。

障害児分野で働く人が、なぜ健常児の発達(障害がない子の発達)を学ぶのでしょうか?

それは、たとえ障害を持っていても、発達の流れは一緒だからです。

確かに発達の抜け落ちやつまずきはあります。

そこを把握して、丁寧に支援していく。

障害児の支援とは「丁寧な子育て」なのです。

 

 

 

参考文献