新人STに対してしてあげられること
長く言語聴覚士(ST)として働いていると、新人教育をする機会が出てきます。新人指導。なかなか手強い問題です。ポイントはひとつ。
いかに新人STが働きやすいように導いていけるか
だと思っています。
養成校ではほとんど教わらない小児分野
他の施設での経験があるSTが入ってきたときには、やり方の違いや気をつけるべきことを伝えればよいと思います。一方、新卒のSTが入ってきたときには、一から教えていく必要があります。STの養成校で小児の勉強をしっかりとやっているところはほとんどないからです。
では、どのように何を教えていけばよいのでしょうか?
何を教えればいいのか?
① 放課後等デイサービスで働くSTの役割
② 子どもの見方、評価の仕方
③ 他職種との関わり方
ざっくり言うと、この3つを教えていきます。さらに、今、使っている理論や検査法など、細かいものを伝えていきます。
教え方はどうすればいいの?
① 完璧を求め過ぎない
② 新人STが働きやすくなるために必要なものや情報
この2つなのではないでしょうか?
完璧を求め過ぎない
私は学生時代“詰め込み教育”を受けてきました。「とりあえず全て覚えろ」というやり方です。まずは多くのことを覚えて、その中から自分に必要なものだけを抜き取る。この四捨選択が知識となり、実際に使っていくことで経験になります。
このやり方が身についてしまっていると、無意識的に新人STにもそれを求めてしまっていることがあります。私も新人STに対して、新人研修と称して知識ばかりを詰め込んでいたことがありました。
STとして就職したばかり。何だかよく分からない放課後等デイサービス。学校で習っていないことばかり要求される。こんな状態の新人STに、あれやこれやと詰め込んでいくと頑張り過ぎて潰れてしまいます。
新人STが働きやすくなるために
困ったときに、誰に相談すればよいのか?その手順やタイミングを伝えていきます。施設によって力関係もまちまちです。
施設の中での「STの立ち位置」と「他職種からSTがどう思われているか」をしっかりと伝えていくこと。あらかじめ知っていると無駄なトラブルを避けることができます。仕事もしやすくなるでしょう。
せっかく、放課後等デイサービスという職場を選んでくれた人です。気持ちよく働いて、モチベーションや向上心をなくさないように、共に働いて行けたらと考えています。