言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを模索しています

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ことばの遅れをみるときのポイント。インリアルを使ってみよう

ことばの発達をみるときのポイント

 

障害を持った子は、発達のどこかしらにつまずきがあることが多いです。それが歩き方などの目に見えるものであれば判断がしやすいと思います。しかし、ことばの場合は目に見えないので評価がしにくいと思います。
では、どこをみればよいのでしょうか?
ことばの専門職である言語聴覚士はどこをみているのか?ポイントをおさえつつ、専門家以外でも見られることをはなしていきます。

 

 

 


評価するときのポイント

 

① ことばの性質について
⇒ ことばを正しく使っているか?(音韻、形態、統語といった形式的側面と意味)
ex.「さかな」を「たかな」と言う
ex.「僕が妹を叩く」絵を見て→「妹が僕を叩く」と言う


② ことばの使い方
⇒ 文脈や状況の中での理解や方言の仕方
ex.「遊びに行こう」→「明日テストなんだ」このやりとりで誘いを断られたことに気づかない
ex.比喩が通じない、相手にとって価値のない情報を言い続ける

③ どのくらい遅れているのか?

⇒ 実年齢(生活年齢)の発達と現在の様子がどのくらい違うのか調べます。
ex.実年齢が3歳だけれど単語(1語文)しか出ていない


④ 非言語定コミュニケーション
⇒ ことば以外のものを使ったコミュニケーションを調べます。
ex.発声は相手に向けていっているか?こっちを見ているか?身振りで表現しているか?などです。

 


話しことばの発達

 

発達の年齢は大体の目安です。全員がこの通りに行くわけではありません。覚えることばも名詞が先だったり、動詞が先だったり、子どもによってバラバラです。


2~3ヶ月
喃語期(アーウー期)

1歳~1歳半
意味のある単語2~3語を言う  1語文

1歳半~2歳
質問が増える「これ何?」   2語文

2歳~2歳半
文を主語・述語の形で表現
疑問分、感嘆文でもOK

2歳後半~
一人称・二人称が使える
接続詞、助詞もOK

4歳ころ
話しことばの一応の完成


◆ 母国語のルールに気づく
 ⇒ 思春期までに母国語の初期の音韻知識を獲得していきます。


◆ 言語の爆発期
 ⇒ 1歳ころことばが出て(始語)から、すごいスピードで言語を獲得していきます。

1歳、1歳半 : はじまり
2歳~4歳  : 著しいスピードで発達

2歳までに聴能などを整えてあげる。
 この時期までにコミュニケーションの基礎を!

◆ 統語の獲得
 ⇒ 統語とは文法のことです。
 ⇒ 文において単語配置で意味が変わることを理解する

  ・僕 が 妹 を 叩いた
  ・妹 が 僕 を 叩いた

・ 1歳半・2歳~ : はじまり
・ ~4歳    : 急速に発達
・ ~6歳    : 完成

 

 

言語能力の発達

 

ことばには3つの側面があります。

意味
⇒ ことばの意味。

語用
⇒ ことばの使い方。適切な使い方、場面を理解しているか?

統語
⇒ 文法のこと。単語と単語をどう組み合わせるのか?

 

 

どこをみればよいのか?


耳は聞こえているか?
⇒ 聴覚障害

対人関係の障害はないか?
⇒ 自閉症など

知的発達の遅れはないか?
⇒ 知的障害(中等度)で喋っている子はいるが凸凹がある

言語以外は問題がないのか?
⇒ 言語だけが障害されている子もいる

言語環境が不適切・複雑ではないか?
⇒ 虐待、2か国語以上を使う環境にある

機能に障害はないか?
⇒ 麻痺や奇形などによる発声発語器官の障害

 

 

 

どう関わっていくか?

 

子どもの現状に合わせた環境の調整は必要です。
「環境の調整」といっても、室内の環境だけでなく子どもに対する関わり方も「環境」のひとつです。

 

インリアルというやり方

インリアルアプローチとは、子どもによりよいコミュニケーション促進のためのアプローチのことです。障害児分野で広く使われています。子どもと大人が相互に反応し合うことで、学習とコミュニケーションの発達を促していきます。

1)子どもの発達レベルに合わせる
2)会話や遊びの主導権を子どもに持たせる
3)相手が始められるように待ち時間を取る
4)子どものリズムに合わせる
5)やりとりを行う
6)会話や遊びを共有し、コミュニケーションを楽しむ

ということを基本に接していきます。実際のアプローチとしては、


言動を真似る(ミラリング)
⇒ 子どもしていることをそのとおり真似る
まだほとんど話さない子どもには、身振り、動作で応える

大人の言動や気持ちを表現する(セルフ・トーク)

⇒ 大人がやっていること思っていることをことばで言う
ex. T:「楽しいね」

子どもの言動を解説する(パラレル・トーク)

⇒ 子どものしていることを大人が代わりに述べる
ex. C:「嫌だったね」

もう一度繰り返す(リフレクティング)

⇒ 子どもの言ったことを繰り返す
ex. C:「ワンワン」→T:「あっ、ワンワンね」
ex. 子どもの発音や表現がおかしいとき、例えばC:「こわいない」→T「こわくない」と、さりげなく正しい表現に直す。

付け加える(エクスパンション)

⇒ ことばを付け加えて内容を広げる
ex. C:「ブーブー」→T:「赤いブーブー、いたね」

ことばの使い方を示す(モデリング)

正しい使い方をさりげなく提示する
話が少しできるようになった子どもに対して
ex. C:「ブーブー」→T:「そうだね、くるま、いたね」


C:こども、T:大人、セラピスト

 

 

www.hana-mode.com

 

 

参考資料

◆言語聴覚法 臨床マニュアル

言語聴覚療法 臨床マニュアル改訂第2版

平野哲雄/小寺富子 協同医書出版社 2004年05月
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◆言語発達障害Ⅰ

言語発達障害(1)改訂

大貝茂/安原佳子 建帛社 2008年04月
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◆言語発達支援研究からみた指導アプローチの類型化
-欧米の指導法研究から- 大伴 潔
http://www.jasssdd.org/Journal/pdf/0506.pdf

◆幼児期における文脈推論能力と方略の発達的検討:
指示対象付与における語用論的解釈の発達と障害
九州大学大学院人間環境学府 村上太郎
http://www.coder.or.jp/hdr/27/HDRVol27.12.pdf

◆自閉症スペクトラム児のコミュニケーション支援に関する事例研究
内田芳夫 西村霞
https://www.nankyudai.ac.jp/library/pdf/mkn3_0002.pdf

◆高機能広汎性発達樟害にともなう語用障害 
特徴, 背景, 支援
大井学
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcomdis2003/23/2/23_2_87/_pdf

◆日本INREAL研究会
http://www3.kcn.ne.jp/~inreal/INREAL.html