言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

【障害児支援】保護者からの相談には「相手に寄り添った」答え方を!

保護者からの質問や訴えの意図を「しっかり」受け取ってるか?

障害児施設で働いていると保護者の方から様々な質問や相談をされることがあります。相手の様子を見ながら質問や相談に応えていますか?

子どものことや福祉サービスのことなど。福祉の世界は 学校のテストのように「完全な正解」がありません。

児童指導員・支援員のスタッフには「生活面」や「発達面」の相談をすると思います。理学療法士(PT)や作業療法士(ОT)のような専門家だったら その職種に合った相談をするはずです。わたしは言語聴覚士(ST)ですので「ことば」や「食事」に関する相談が多いです。それ以外にも「発達」など。

そのような「職域」に関する相談や質問だったら、その人が責任をもって答えればよいのだと思います。

では、それ以外の「悩みの底に隠れた部分」には どう配慮していますか?次の3つは、時々 目や耳にする親御さんの様子です。

・自分の子どもは「障害が重い」と言っている
・過度に高い評価をする
・過度にドライな評価とき

今回は、親御さんからの質問に応えるときに気をつけたいポイントを紹介します。

 

 

 

どんな相談内容が多いか?

保護者からの質問や相談は人によって様々です。同じ障害名でも「まったく同じ子」がいないから。現代の情報があふれた状態では「信じられる」情報を手に入れるのは難しいです。だからこそ、支援員やリハビリ職など、身近な専門家に相談してくれるのです。相談の内容は大きく分けて3つあります。

・いま「何ができる」か?
・問題行動への「対応」
・子どもの「捉え方」

 

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親御さんの「言い方」に着目してみよう

では、親御さんの様子に注目してみましょう。親御さんが相談者に自分の子どものことを伝えるとき、いくつかのタイプに分かれます。

・過度に高い評価をする
・過度に低い評価をする
・自分の子どもは「障害が重い」と言っている

もちろん、現状をその通りに伝えてくれる人もいます。評価が専門家と「ほぼ同じ」なんてこともあります。しかし、大多数はそうではありません。

 

 

高すぎる評価をする

「この子は大体のことは理解できているんです!」
「この子はなんでも食べられるんです!」

専門家の所見よりも高い評価をするタイプの人は結構います。これは保護者が悪いとかではありません。子どもの発達や現状をはかる「ツール」を持っていないなら評価なんて どんな答えが出てもおかしくありません。

そこで専門家は「違います!もっと低いです!」なんて答える必要はありません。そんなことを言ったら関係がこじれるだけです。しかし、このように答える専門家は結構います。

⇒ この場合「そうですね」と受け止めて、「こうすれば もっと良くなりますよ」「安全度が増しますよ」という具合に答えるのがよいです。

 

 

低すぎる評価をする

「この子は何もできないんです」
「この子はずっとこのままなんでしょう」

先ほどとは逆に、低い評価をするタイプです。時々いらっしゃいます。ここで気をつけたいのは 本当にそう思っているのか?ということです。次の2つがあるように思います。

・照れ隠し(?)で言っている場合
・本当にそう思っている場合

⇒ 照れ隠しの場合だったら「そうですよね」というと相手は嫌な表情になります。心の扉は閉じます。「そんなことないですよ」と言いつつ、「園では○○してくれることもあるんですよ」等の 保護者の人が見えない側面を伝えるのも手です。
本当に低く見積もっている場合は、専門家としての所見を伝えて「○○するとよいですよ」とショートステップで柔らかく伝えていきたいです。

 

 

自分の子どもは「障害が重い」と言う

自分の子どものことを専門家に伝えるとき「うちの子は障害が重い」とおっしゃる保護者の方もいます。これを字面の通りに受け取ってはいけません。「そんなことありませんよ!うちの施設では軽い方です」なんて言っていませんか?

では、ここで隠れているものは何か?それは「家で この子の面倒を見るのはとても大変なんです」という可能性です。支援者にとっては「障害の軽い子」でも、保護者にとっては「最重度」な場合もあるのです。専門職の「あたりまえ」が保護者の「あたりまえ」と同じではないということを忘れてはいけません。

⇒ 「そうなんですね」と受け取ってから、ことばを選びながら専門家としての自分の所見を伝えます。そして「こういうやり方をすれば介助が少し楽になるかも」という点を伝えるのもよいです。

 

 

相談を受ける側が気をつけたいポイント


相談等言うのは、質問をされたら、ただ「正しいこと」を伝えればよい!というもんではありません。意見がぶつかれば当然「嫌な感じ」が残ります。そんな雰囲気では専門家側の「一番伝えたいこと」が伝えられなくなります。「一番伝えたいこと」とは何か?それは専門家によって異なります。ちなみに、わたしが大切にしているのは次の点です。

・より安全な方法
・より良い方法
・保護者の気持ちが楽になる(であろう)やり方

「ちょっとだけ」こうしてみませんか?という無理のない範囲で伝えたい。

 

 

 


まとめとして

今回は、保護者からの質問や相談を受けたとき、どんなことに注意して、どのように受け答えすればよいのか?ということを紹介しました。これは、長年、わたしが実際に障害を持つ子や親御さんと関わってきて出した、現時点での回答です。だから、パーフェクトな答えではないかもしれません。しかし、こういったやり方を支援してくださる人もいます。

専門家は自分のやり方を貫き通すことも大切です。それとともに、相手(保護者)のタイプに合わせたやり方も念頭に置いて関わっていければ さらに上手くいくのではないでしょうか?上手くいかないこともたくさんあります。それでも、子どものため、同じ職種の後輩たちのために頑張っていければと考えています。

なぜ この人は こういうふうに言ったのかな?というふうに、常にアンテナを張っておくことが大切です。

よかったら参考にしてみてください。

 

 

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