言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

放課後等デイサービスの選び方!「子預かり」型を選ぶときのポイント

子預かり型の施設は悪なのか?

 

放課後等デイサービスには様々なタイプの施設があります。

その中で嫌煙されがちなのが「子預かり」型の施設です。

本当に「子預かり」には悪い施設しかないのでしょうか?

実際はしっかりとした「子預かり」の施設も存在します。

それはどんな施設なのか?

今回は、実際に放課後等デイサービスで長い間勤務しているわたし(言語聴覚士)が、「子預かり」について説明します。

 

  

今回の流れ!

「現在の放課後等デイサービス」を知る
  ⇒ なぜこんなに増えたのか?
  ⇒ 増えたことで起こったこととは?

「いろんなタイプがある」ことを知る
  ⇒ 子預かり型とは何か?
  ⇒  どのタイプがよいのか?

 

 

タイプの例

 

放課後等デイサービスには様々なタイプが存在します。

勉強型
 ⇒ 個別学習、訓練、療育中心

集団型
 ⇒ 集団活動、対人など中心

保育型
 ⇒ 遊びを通して発達促進をねらう

預かり型
 ⇒ 場所の提供。見守りはある

 

いろんなタイプがあります。

勉強型も体操や音楽など中心の施設もあります。

どのタイプが理想なのでしょうか?

その前に・・・放課後等デイサービスって今はどのくらいあるのかおはなしします。

 

 

放課後等デイサービスの現在

 

現在の放課後等デイサービスの施設数は下記のとおりです。 

放課後等デイサービスの事業所(施設)の数

令和元年 (2019) 1万3980 か所
令和2年 (2020)  1万5310 か所

***
データは下記のHPより引用

放課後連東京
http://houkagoren.sakura.ne.jp/topic2.html

厚生労働省
障害福祉サービス等事業所・障害児通所支援等事業所の状況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/fukushi/19/dl/kekka-kihonhyou02.pdf

 

以前は次々と新しい施設が開所していました。

毎月いくつもの施設ができている地域もありました。

最近は落ち着いてきているようです。

現在の放課後等デイサービスはどのような感じなのでしょうか?  

 

 

本当は儲からない放課後等デイサービス

ひと昔前に

「放課後等デイサービスは儲かる」

そんな偏った情報が流れました。

それを聞きつけた金目当ての人が

「いま解説しなさい」
「楽だし儲かるよ」

とふいて回りました。

もちろん開設のお手伝いをするかわりに手数料をとっていました。

 

いざ放課後等デイサービスをはじめてみると全く儲かりません。

金もうけを第一に考えていても割にあいません。

そういう施設がどうなったかというと・・・

・手のかからない子(障害の軽い子)だけを集める

・大勢を一つの部屋に集めてDVD鑑賞をさせる

というような支援?を毎回するようになりました。

支援の質の低下です。

人でも必要ないので人件費も削減できます。

土日も開所していますし、車で送迎なんかもできてしまいます。

 

 

おかしな状況になる

 

これに怒ったのは、真面目に子どものことを考えてこれまで支援を続けてきた施設です。

古くからある施設は、なるべく子どもに手厚く支援を行いたい。

だからなるべくスタッフの数も増やしています。

しかしお金がないので土日開所や送迎まで手が回りません。

 

そんな事情を知らない保護者の方は、土日も預かってくれるし送迎もやってくれる施設を選びます。

そりゃそうです。

 

支援の質が悪い施設に子どもが集まる、というおかしなサイクルが出来上がります。

 

古くからの施設側は

新しくできた施設(株式会社)=よくない施設

という、これまたおかしな偏見ができてしまいました。

 

 

国の対応

 

こんなおかしな状況で国はどうしたか?

さんざんいろんな団体から

ちゃんとした施設が継続できる仕組みをつくってほしい!

といわれた国は考えました。

その結果、現在は

・スタッフの数をそろえて
・専門職も配置して
・障害の重い子もちゃんと受け入れて

という施設にだけ補助金・助成金を出すことに決めました。

 

そのため、いくつかの新規施設がやってきたやり方では国から補助金・助成金が下りなくなりました。

それでは事業を続けられません。

もともと金儲けめあてで始めた施設は撤退もしくは潰れていきました。

 

ちなみに

まじめに頑張ってきた施設でも、スタッフの数などが基準に満たないと国からお金をもらえないという事態が起きています。

これも問題となっています。(2021年現在)

 

 

施設によって特色が異なる

 

子どもを預かるだけの施設は確実に減ってきています。

しかし、そんな施設でもなくなると困るのが親御さんです。

この「子預かり」

本当に悪なのでしょうか?

 

 

「子預かり」ということば

 

放課後等デイサービスには様々なタイプが存在します。

 

 

 

「子預かり」ということばだけを聞くとあまり良いイメージはありません。

実際に放課後等デイサービスで働く人たちはこの「子預かり」を毛嫌いする傾向があります。

しかし、親御さんから求められているのは子どもを預かってくれる場所・人であることが多いのです。

 

 

「子預かり」のメリット

 

子どもを預かってもらえるということは

・親御さんの精神的余裕が生まれる

・きょうだいたちの時間ができる

ということです。

 

これを私たち支援者が否定することはできません。

 

 

「子預かり」+「特色」がベスト

 

だったら放課後等デイサービスは「子預かり」型が一番いいの?

 

「障害を持った子を預かります!」を一番に掲げている施設は信用できません。

そんな施設はないと思いますが・・・。

 

一番信用できるのは

「うちの施設の特色は○○に力を入れていることです」

「子預かりの側面も持っています」

 

ということをしっかりと言える施設だと思います。

 

立派な特色を言ってはいるけれど、実際は「子預かり」に近い、なんて施設も少なくないのです。

それを自分から言わない施設の多いこと。

 

施設のトップの性格や考え方にもよりますが・・・。

 

 

まとめとして

今回は、放課後等デイサービスで「子預かり」型の施設は悪いのか?というはなしをしました。

実際は「子どもを預かってもらえるニーズ」はたくさんあります。

理想は「それぞれの特色」+「子預かり」です。

自分の子どもを入れる放課後等デイサービスを探している場合にはそんな部分も考えてみるとよいかもしれません。

イベント以外に、普段はどんな活動を行っているか?がちゃんとわかる施設を探すのがポイントです。

 

 

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