言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを探っていくブログです

環境調整は本当に必要か?まずは原因を探ってみることが大切

環境調整は必要か?

障害児への支援で「環境調整」というものがあります。その子が理解しやすいように周囲の物事をシンプルにする。理解できれば次の行動に移ることができます。環境調整は大人にとっても分かりやすい支援方法の1つです。

では、この環境調整をやっておけばどんな問題に対してもOKなのでしょうか?今回は環境調整を行う前にしなければならない「原因を探る」というはなしをします。 

 

 

 

 

環境調整とは

 

療育や障害児教育などでよく耳にする「環境調整」。

大きく分けると2つの意味に分けられます。

① 問題行動が起こらないように準備しておくこと
② 子どもが理解しやすい、取り組みやすい環境を作ってあげること

ゴチャゴチャになりやすいのですが、①は物を投げる(問題行動)がある子の机の上には物を置かない、②イラストや写真のスケジュール表をつくって「いま何をする時間か?」分かりやすくする

 

 

環境調整のポイント

基本的には

シンプルにすること

⇒ たとえば、机の上にゴチャゴチャ物を置かない。今やるものだけを置くようにします。使い終わったら片づけます。

見ただけで分かるようにすること
⇒ たとえば、時間割。見ただけで次に何をやるのか分かりますよね。生活の中でも、手を洗う→食事の準備→食べる、というようにイラストや写真などのカードで時間の流れを把握できるようにします。

 

対象者は誰?

環境調整が必要な子はどんな子なのでしょうか?

・発達障害
・知的障害
・障害のない子

自閉症をはじめとする発達障害の子は、見て理解するのが得意なケースが多いです。そのため見ただけで状況がわかるように支援することがあります。そのため、環境調整は必要な要素です。

 

障害がある子だけのものではありません。

一般的に年齢の低い子どもは複雑なことは理解できません。しかし、手順や予定を伝えるときにも目で見て分かるようにしてあげると理解できるようになります。

 

環境調整は広く使われています。障害のある・なしに関わらず、子どもが理解しやすいようにするために使われるものです。

 

 

環境調整が必要な理由

環境調整によって視覚化やシンプル化させていくことで、いま自分に求められていることが分かりやすくなります。分かるということは、気持ちが安定するということです。気持ちの安定はすべての発達の土台となります。逆に言えば、情緒が不安定な子は発達につまづきが生じやすい。「どうすれば気持ちが安定するのか?」という視点は支援を行ううえでとても大切なものです。

 

 

環境調整よりも大切なこと

どんな子にも使える環境調整。しかし、万能ではありません。

全員に効果があるわけではないのです。

なぜなら問題行動の原因はそれぞれ違うからです。

 

 

必ずしも有効とは限らない!

 

子どもがうまくできないとき「じゃあ、環境調整だ!」と思いたくなることがあります。

気持ちは分かります。でも、ちょっと待ってください。できないことの原因を考えましたか?

 

 

どんな問題にも原因があるのです。

問題行動に対してなにかしてあげたいなら「すぐに支援!」ではなく、一歩立ち止まって「なぜこれが起きたのか?」という原因を探ることが大切です。

もちろん、原因は特定できないこともあります。しかし、ここを考えていく(仮説を立てる)のが支援なのです。

 

 

原因を探れば支援の方向が見えてくる

たとえば、こんなことがありました。

食事をするときに、後ろばかり振り返っていて食べるのが遅い子がいます。スプーンを口に運んではいますがポロポロこぼしてばかりです。遊び食べのように見えます。

じゃあ、仕切りをつけて周囲が見えないようにすればいいんじゃない?と思われるかもしれません。

 

そもそも、この原因は何なのでしょうか?

・集中できないだけ?
・後ろに気になるものがある?
・食事に興味がない?

いろいろ考えられます。

・うまく食べられないから?

こんな風に考えることもできます。

 

この子の場合「遊び食べ」に見えた行為はうまく食べられないからなかなか口の中に入らないときの動きでした。つまり、食べ物の食形態が合っていなかったのです。おかずの大きさや軟らかさを調整してあげただけで、遊び食べや食べながらキョロキョロするのはほとんどなくなりました。

 

食事には「食形態」とよばれる「大きさ、形、硬さ、ネバつき具合」といった概念があります。これが本人の「食べる力」と合っていないとのどに詰まらせる危険性があります。なにより子どものストレスとなるのです。

 

「問題行動」がSOSになっている例だと思います。

 

支援目標に「環境調整をする」と書けば見栄えが良くなります。

しかし、ただ型にはまった支援をするだけでは何も変わりません。

繰り返しになりますが、まずは「なぜ問題が起こったのか?」という原因を考えることが必要なのです。 

 

 

まとめとして

今回は環境調整について説明しました。すべての問題行動に環境調整が効くとはかぎりません。まずは原因を探ること。それから原因と照らし合わせて支援や援助を行うことが大切なのです。よかったら参考にしてみてくださいね。