情報を活用するための読み取り方【食事】
障害を持った子どもと関わっていると引継ぎ書や評価表を目にする機会があるかと思います。
発達や運動、食事など・・・。
いろんなことが書かれているかと思います。
給食が後期食?
で?
どんなものなら食べられるの?
何に注意すればいいの?
今回は食事に関する情報をどのように読み取ればよいのか?です。
そのときのポイントを説明します。
この記事を読むと、引き継ぎ書や評価表を見たときどのくらい食べる力があるのか?何に注意すればよいのか?かが分かるようになります。
わかりにくい引き継ぎ書や評価表
引継ぎ書や評価表にはどんな情報が書かれているのでしょうか?
・診断名
・発達年齢
・支援内容
・注意点
など
これらは支援を行ううえで欠かせない情報です。
しかし、書き方や内容が固すぎて分かりにくいと感じることが多いです。
なぜか?
・専門用語が当たり前のように使われているから
・用語の説明が省かれているから
どんな内容が書かれているか?
食事の評価は
① 食形態・・・何を食べられるか?
② 口腔機能・・口の働きはどうか?
が中心に書かれています。
① 給食の食形態
「食形態」とは食べ物がどのくらい加工されているか?ということです。
・硬さ
・大きさ
・ベタつき(粘調度/粘度)
いくつか段階があります。
普通食は私たちが普段から食べている硬さ・大きさ・ベタつき具合のものです。
下に行くにしたがって軟らかく・ベタつきにくいものになっていきます。
※大きさよりも軟らかさが大切!
★くわしく食形態について知りたい方はこちらの記事もどうぞ
② 口腔の機能
口腔とは口の中のことです。
・歯
・舌
・上あご(口蓋)
などのことです。
それ以外にも
・のど(舌骨など)
・下あご
これらが協力してはじめて上手に食べることができるのです。
食事の評価からイメージする方法
では、実際に書かれていることから、どんなことが読み取れるのでしょうか?
後期食
後期食とはバナナくらいの硬さのものです。
噛む練習をする段階。
この食形態のものを食べているのであれば
・奥歯で噛める、すり潰せる
⇒ ある程度は硬いものを処理できる
・舌が前後、上下、左右に動く
・舌で食べ物を塊にできる
という状態もしくはその練習中であることが分かります。
中期食
中期食とは絹ごし豆腐くらいの硬さのものです。
食べ物を上あごと舌を使って押し潰して食べる練習をしている段階。
この食形態のものを食べているのであれば
・口の天井(上あご)で押し潰しができる
・舌が前後、上下に動く
⇒ 自分で奥歯の上に食物を持っていけない
という状態もしくはその練習中であることが分かります。
初期食
初期食とはハチミツのようなペースト状の硬さです。
くちびる(口唇)を使って食べ物を捕食します。
さらに口唇を閉じて食べることを学ぶ段階です。
この食形態のものを食べているのであれば
・自分でゴックンができる
・舌が前後に動く
⇒ 食物を喉の奥に送り込める!
という状態もしくはその練習中であることが分かります。
注意点
食形態は硬さがポイントだと説明しました。
しかし、気をつけたいことがあります。
・パンのように軟らかいけれど弾力があるものは食べにくい
⇒ むしろトーストのようにカリカリにした方が食べやすいケースもある!
パン以外にもカマボコ、ソーセージ、厚揚げなども注意しましょう。
まとめとして
今回は引継ぎ書や評価表などに書かれている「食べること」「摂食嚥下」の解釈の仕方について説明しました。
ただたんに「後期食」と書かれていても「へー」で終わってしまいがちです。
一見、小さな情報に見えますが、本当はここからいろんなことが分かってくるのです。
だから支援者はいろんな角度からものを見ることが大切なのです。
近くに司会や言語聴覚士、栄養士などの食事の専門職がいたら教えてもらうとよいと思います。
もしもあなたが食事の専門家であれば、保育職に伝えてみてください。
それがお互いに、というか子どもの利益につながるのではないでしょうか。
食事の加工グッズにかんしてはこちらの記事もご覧ください