食事介助を行うときに気をつけたいポイント
食事介助では相手の身体に触れることが多いです。
ときには口や唾液に触れることもあります。
当然、感染症のリスクは高くなります。
しかし、食事介助をしないわけにはいきません。
では感染を防ぐためポイントはあるのでしょうか?
手からの感染を防ぐ
ということです。
「手をきれいに」することが子どもたちを守ることにつながる、というはなしです。
食事介助を安全に行うためには
感染を予防するために何をすればよいのでしょうか?
知り合いの歯医者さんに聞いてみました。
歯科医は日常的に感染リスクにさらされている職種のひとつです。
しかし、なぜか歯科医は感染率が低いのです。
子どもの摂食嚥下(食べること)の指導をしている歯科医師によると、一番は手を守ることだそうです。
手を守るとは?
手を守るとは、常に手をきれいにしておくということです。
① 手洗い
手を洗うタイミングはいつがよいのでしょうか?
・活動の前後
・調理の前後
・食事介助の前後
・介助で別の子どもに関わる前後
② 手袋
食事介助で手袋を使うなんて失礼じゃない?
そう思われる人もいるかもしれません。以前はそういう風潮がありました。
しかし、現在では「感染症対策」から子どもや自分自身を守るために手袋をすることが推奨されています。
手袋といっても軍手じゃありません。介護用のグローブ(ゴム手袋)のことです。
NG例
障害児施設で働いている人がやってしまいがちなことがあります。
手袋をしていてもダメなこと
✕ 手袋を変えずにいろんな子の食事介助をやってしまう
→ ウイルスを振り撒いているだけです
✕ 手袋をしたままいろんな場所を触る
→ 手袋は他の場所からウイルスを子どもところに持ってこないためのものです!
✕ 食事で使う手袋の保管場所がトイレだ
→ こういう施設、結構あります。
手袋をつけっぱなしにしては意味がありません!
逆にウイルスを他の子たちにつけて回っているのと変わりません!
食事介助で感染しやすい場面
自分の手にウイルスや菌がつくのを防ぐ
自分の手に気を配るとはどういうことでしょうか。
障害児施設の食事介助の場面で、感染しやすいのはどのようなときなのでしょうか?
食事介助は感染リスクが高い?
食事介助は他の活動と比べて感染リスクが高くなります。
・至近距離での咳やクシャミ
・子どもの口に触れる
・食べ物や食具に触れる
必然的に接触の頻度が増えるからです。
手を介して他人にうつしてしまう
何らかの原因で自分の手にウイルスがついていたとします。
食事介助は相手の口や顔に触れます。
そのタイミングで感染することがあります。
介助者の手を介して子どもに移してしまう。
食事介助をする人たちが、意外と抜け落ちてしまう考え方です!
手を守るオススメのグッズ
手袋で介助者自身の手を守る。
まずはそれが大切だということが分かりました。
人間の体液・嘔吐物・糞便等には感染性の病原体が含まれていることが多いのです。
これらに触れる際には素手で扱うことを避け手袋をすることが必要です。
以前、福祉業界では、
・手袋をした介助=失礼
・素手で何でも介助できる人=すごい人
という誤った常識(?)がありました。
現在は感染症に慎重になってきています。
施設が感染症に無関心なところで働いている人は気をつけた方がよいです。
どんな手袋がよい?
それでは、どんな手袋を使えばよいのでしょうか?
手袋にもいろんなタイプがあります。
粉付き?粉なし?
粉がついているものと、ついていないものがあります。
◆粉付きタイプ
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これは、手袋内部に粉が入っていて脱着しやすくなっているタイプです。この粉が人体に有害であるという説があるため、現在はほとんどパウダーフリーとなっているようです。無害の粉もあるようですが・・・。
◆粉が付いていないタイプ(パウダーフリー)
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現在はこちらが主流です。
メリットは
・粉が服につかない
・子どもにつかない
脱着もそれほど大変ではありません。
サイズは?
・介助者の手にあったサイズのものが絶対良いです!
→小さ過ぎると手袋が破けやすくなります。大き過ぎると介助者が食物や食具を持ちにくくなってしまいます。手にあったサイズを選びましょう。
その他の注意点
・ラテックス製でないもの
ラテックスとは天然ゴムのことです。
この製品が肌に触れることでアレルギーが起きることがあります。
特にアナフィラキシーショックが起こるケースもあるので注意が必要です。
誰がラテックス・アレルギーかが分かりません。
そんなときは使わないのが一番です。
まとめとして
今回は、障害児施設での食事介助と感染症対策のポイントを説明しました。
・何かに触ったら手を洗う。
・別の子に触るときも手を洗う。
当たり前のことですが、忙しいとできていないケースがけっこうあるのではないでしょうか?
食事介助のときに、介助者を介して子どもにウイルスや菌がうつらないようにすることが大切です。
まずは手をきれいに。
これで感染リスクがグッと下がるはずです。
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