虐待について考えよう
最近、自宅待機、不要不急の外出制限、などなど。
新型コロナウイルスが蔓延している今(コロナ禍)では「自制、自制」で自分の思う通りに行かない状況が続いています。
誰もがストレスをためているのではないでしょうか?
こんなときには「虐待」のリスクが高くなるといわれています。
そんなことが起こらないようにするためにも、もう一度「虐待」について考えてみましょう。
虐待をするのは大人です。
親や福祉施設で働くスタッフなど。
今回は「虐待」についてリスクや要因、対応などを考えていきます。
虐待とは?
そもそも虐待とは何なのでしょうか?
虐待には種類がある
子ども虐待の定義は「児童虐待の防止等に関する法律」により下記のように分類されています。
身体的虐待・・・叩かれるなど
性的虐待・・・・触られるなど
ネグレクト・・・いわゆる育児放棄
心理的虐待・・・辛いことばかけなど
とくに分かりづらい「心理的虐待」は下記のようなものです。
自分が受けていることは虐待か?
そんな状況を子どもが見ても理解しやすい動画があります。
子どもの視点で虐待を体験してもらうために作られたものです。
とてもよくできています。
見るのがとても辛いです。
そして、胸糞悪いです。
最悪です。
それでも、学ばなければいけないことなのだと思います。
見たい方は下記のリンクへ。「you tube」のページへ飛びます。
児童虐待体験VR|パイロット版
https://www.youtube.com/watch?v=qG7w2mqELa4
虐待としつけ
虐待が発覚すると「しつけのつもりで・・・」と言う大人がいます。
しつけの概念も人によって様々で、世の中には歪んだ「しつけ」もたくさんあります。
虐待としつけの違い
・虐待としつけ。この二者間には、しっかりと線引きできないグレイゾーンが存在します。が、多数の事例に関わってきた福祉、保健関係者や精神科医、小児科医などが言うように「子どもが耐え難い苦痛を感じることであれば、それは虐待である」と考えるべきでしょう。
・保護者が子どものためだと考えていても、過剰な教育や厳しいしつけによって子どもの心や体の発達が阻害されるほどであれば、あくまで子どもの側に立って判断し、虐待と捉えるべきでしょう。
・多くのケースでは、保護者が子育てに苦労されている現実がありますから、その気持ちを大事に考えることも大切です。
児童虐待防止全国ネットワーク
オレンジリボン運動
https://www.orangeribbon.jp/about/child/abuse.php
自分の言うことを聞かせるのが「しつけ」ではありません。
子どもが社会に出て困らないためのルールやマナーを身につけることがしつけなのです。
虐待のリスク要因
虐待の要因もいくつかに分けることができます。
主に家庭でのリスク要因(リスクになりうるもの)です。
① 保護者側のリスク要因
・保護者自身の性格傾向、精神疾患
・イライラ
② 子ども側のリスク要因
・何らかの育てにくさ(乳幼児、障害児)
・「言うことを聞かない」など誰もが通る発達段階など
③ 養育環境のリスク要因
・単身家庭
・夫婦の仲の悪さ
・夫婦間の暴力
上記の要因は、この状況なら必ずしも虐待が起きるというものではありません。
怒っている件数が多いというはなしです。
虐待の通報・相談件数
下記は、警察及び厚生労働省に寄せられた相談件数です。
下記は「児童養護施設」「障害児入所施設等」などの児童福祉施設で起こった虐待件数です(2018年)。
外からの「目」がないために、一般的な比率とは異なっているのが分かります。
障害を持つ子と虐待
定型発達の子と比較したとき、障害を持つ子は虐待を受けるリスクが高くなるという研究結果があります。
虐待リスクとして
・身体障害児 4.3倍
・知的障害児 13.3倍
(ハートネットTV/全国児童相談所における家庭支援への取り組み状況調査報告書(2009年)より)https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/62/
これは、障害を持っているから虐待を受けた、と直接的に結びつけられるものではありません。
障害を持つ子は病院や療育施設に通うことが多く、保護者に対して周囲からの視線など社会的な負担が多いです。
また、施設などで関わる大人の数も多いことも要因としてあげられます。
自分の苛立ちを知り、リラックスする
私たちが虐待をしないためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?
日本子ども虐待防止学会では、子どもに被害がいかないよう、大人自身が自分のイライラを知ってリラックスするよう提唱しています。
お子様と暮らしている皆様へ
http://jaspcan.org/wp-content/uploads/2020/04/toparents200407.pdf
それでもダメなとき
私たちの相談を聞いてくれるところがあります。
「あれって虐待かも」
「自分の子どもに辛くあたってしまう」
近所や施設での虐待以外にも、自分の言動に不安を感じたときでも相談することができます。
連絡先は2通りあります。
① 児童相談所虐待対応ダイヤル
189(通話料・無料)
189に電話をかけると、近くの児童相談所に24時間つながります。ここでは自分の思いを匿名で伝えることができます。携帯電話からでもOKです。
② 児童相談所相談専用ダイヤル
0570-783-189(通話料・有料)
こちらでもOKです。
どちらの番号にかけても大丈夫です。
子どもは大人を選べない
放課後等デイサービスでは、担当制をとっているところあります。
保育であれば、子ども1~2人に対して大人が1人担当につく。
しかし、これは、子どもが担当を選べるわけではありません。
個別指導をとっているところでも、子ども1人に対してメインの大人1人とサブの大人が少々つくかたちです。
ここでも、子どもは担当の大人を選べません。
子どもは大人を選ぶことができません。
親も同じです。
支援者でも担当の子を選べないことがあります。
決められたスタッフ数で来ている子どもたちと関わらなければならないからです。
しかし、福祉施設の大人(スタッフ)は、支援の途中で担当の子どもを変えることができます。
子どもと大人の違い。
これは非常に大きいことなのです。
まとめとして
今回は虐待について説明、というか考えを述べてみました。
子ども―親だけでなく、子どもー支援者という関係性のなかでも虐待は起こりうるものです。
当の本人が気づかずに虐待を行っているケースだってあります。
いま一度、考えなければならないことなのではないでしょうか?
よかったら参考にしてみてくださいね。
参考資料
3keys ミーのなやみ
https://3keys.jp/mee/?gclid=CjwKCAjwwMn1BRAUEiwAZ_jnEsk_2LFdFSeufX46HFgSjvhPv_kh9cY6Ef6Z_9rFkUngxB6KhkvxXRoCV1wQAvD_BwE
児童虐待防止全国ネットワーク
オレンジリボン運動
https://www.orangeribbon.jp/about/child/abuse.php
厚生労働省
子ども虐待対応の手引き
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv12/00.html
ウェスト アンド カンパニー
児童虐待体験VR|パイロット版
https://youtu.be/qG7w2mqELa4