言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

障害児と摂食嚥下。オススメの本は?入門書から専門書まで紹介します

障害を持つ子の食事関係でオススメの本は?

今回は障害児の食べることへの支援についてです。

障害を持つ子のなかには何らかの原因によって嚥下機能に問題を抱えている場合があります。

そういう子の支援を行うときに役に立つ本を紹介します。

 

わたしは長年、言語聴覚士として障害児への食事支援を行ってきました。

そのなかでオススメの本を紹介します。

 

 

 

意外と少ない障害児の「食事支援」の本

障害児と関わると必ずと言っていいほど「食事」が関わってきます。

 

・お弁当

・おやつ

・水分摂取

 

障害児施設では食事以外にもたくさんの活動があります。

遊びや学習など。

食事はそれらの陰に隠れがちです。

しかし、本当は命に係わるとてもたいせつな分野のはずです。

 

それは分かっている。

では、どうやって勉強すればいいの?

そう思われる方も多いのではないでしょうか?

 

まわりに専門家がいれば聞いてみるのが一番の近道です。

・歯科医師

・言語聴覚士

・栄養士

 

いないのであれば本を読んで勉強するのが一番です。

 

 

本の紹介

それでは本の紹介しをしていきましょう。

 

発達障害児の偏食改善マニュアル

 

いまSNSで話題の本です。

「どうやって食べさせるか?」ではなくて、

「どんなものなら食べてくれるか?」という視点で書かれています。

写真もたくさん載っていてわかりやすいです。

偏食がテーマの分かりやすい本は少ないので重宝するはずです。

オススメです!

 

重症心身障害児(者)のケア

 

食事だけでなく肢体不自由児者の介助全般が書かれています。

肢体不自由の子への支援が初めてという人はこの本で知識を入れるのも手です。

 

 

子どもの食の育て方

 

小児歯科による「お母さんの疑問にこたえる」シリーズです。

意外かと思われるかもしれませんが歯科医師も摂食嚥下のプロです。

 

 

ママが知らなかったおっぱいと離乳食の新常識

 

離乳食のことを学ぶ機会は多くありません。

言語聴覚士の大御所である中川信子先生の本を読んで知識をつけましょう。

やはり中川先生の本は分かりやすいです。

 

 

 

知的障害特別支援学校での摂食指導と言語指導

 

こちらも大御所・谷口しおり先生の本です。

知的障害児・特別支援における食事支援について書かれています。

前半が食事、後半は言語についての本です。

 

 

じょうずに食べるために ①

 

イラスト満載の食事支援の本です。

発達段階別の支援や訓練について書かれています。

食事の訓練は無理をするとかえって危険です。

実際に訓練を行う際には専門家の指示を仰いだ方がよい場合もあります。

 

 

じょうずに食べるために ②

 

食事における「どうしたらいいの?」を分かりやすく解説してくれている本です。

後半は食事の基礎知識が書かれています。

 

 

じょうずに食べるために ③

 

食事支援に加えて「栄養」についても書かれています。

偏食に対して悩んでいる人の導入としてオススメです。

 

 

 

ちょっと専門的な本の紹介

ちょっと専門的なオススメ本はこちらです。

言語聴覚士(ST)やその他専門職などの人向けです。

 

 

子どもの摂食・嚥下障害

 

子どもの食事支援を網羅してくれている本です。

もちろんこの本だけでは臨床では足りないこともあります。

しかし、これから小児分野で戦っていくSTやその他の専門職の人には救いとなるはずです。

わたしもこの本で学びました。

 

 

子どもの食べる機能の障害とハビリテーション

 

新人時代にこんな本があったらよかった・・・。

値段はちょっとお高めです。

しかし、内容も分かりやすかったり、訓練カードがついていたり。

オススメです。

 

 

子どもの意欲を引き出す摂食嚥下支援

 

子どもの「食行動」について「なぜ?」を解説してくれています。

かゆいところに手が届く感じの本です。

食行動の発達に重点を置き、支援や対応法を伝授してくれる本です。

 

 

食と栄養相談 Q&A

 

STが弱い栄養面についてもしっかりと書かれています。

子どもの年齢ごとに段階を追って「起こりうる問題」をQ&A方式で解説してくれています。

 

 

言語聴覚士のための 摂食嚥下リハビリテーションQ&A

 

STが摂食嚥下と向き合うときにどうすればよいのか?が書かれています。

成人分野がメインですが・・・。

 

 

頸部聴診法トレーニング

 

言語聴覚士が養成校ではほとんど学ばない頸部聴診。

だけど、臨床ではとても大切な手段となります。

独学するならDVDつきが分かりやすいです。

 

 

嚥下の見える評価マニュアル

 

頸部聴診を嚥下の評価に活かそうという本です。

養成校で学べない分、本&DVDで補いましょう。

 

 

頸部聴診法トレーニング

 

もっと勉強したい人はこちらもどうぞ。

 

 

頸部聴診法と摂食嚥下リハ 実践ノート

 

頸部聴診を学べる本&DVDです。

この本も上記の3つの本も成人の頸部聴診です。

基礎は学べると思います。

 

 

小児の摂食嚥下障害

 

小児の摂食嚥下の概要が書かれています。

摂食嚥下リハビリテーション学会の認定士試験で使われるテキストです。

この認定士も持っていると自分の自信になります。

嚥下の分野で頑張りたい(もしくは頑張らざるをえない)人はぜひ!

 

 

子どもの摂食指導

 

子どもの摂食嚥下について分かりやすく解説されている本です。

オススメです。

 

 

本選びのコツ

本を選ぶときにもコツがあります。

 

ポイント!

・古すぎないか?

⇒ 古すぎると情報が改定されている場合があります。

 

・著者は歯科医や言語聴覚士などの専門職か?

 ⇒ 自分と同じ職種が書いた本であれば視点が似ているので頭に入ってきやすいです。

 

・無駄に高くないか?

 ⇒ 値段が高い=良書、とはいえません。絶対に。何度騙されたことか・・・・。

値段が高過ぎる物の場合、実際に書店で目を通すとか、通販のポイントを使うとかしたほうがよい場合もあるのです。 

 

 

まとめとして

今回は障害児の食事支援に関わる人向けの本を紹介しました。

意外と分かりにくい障害を持った子への食事支援

最近は分かりやすい本もたくさん出てきました。

はじめて食事支援の本を読むという人はイラストや写真がたくさん入っている本から入るとよいです。

良かったら参考にしてみてくださいね。