食べること(食事・摂食嚥下)の用語説明
分かりにくい専門用語を簡単に解説していきます。
口蓋 / こうがい
【名詞】
口の中の天井部分。
上の歯(歯列)の内側部分。
下の絵は口を大きく開いた状態を表します。
上の歯に囲まれたところ(赤く塗られた箇所)が口蓋(こうがい)です。
前方(前歯寄り)が硬口蓋(こう こうがい)、後ろ(喉寄り)が軟口蓋(なん こうがい)。
使い方
「食塊形成が苦手だね」
⇒ 意味:舌を使って食べ物をひと塊にする力がまだ身についていないね。
使われる分野
摂食嚥下(せっしょく えんげ)、リハビリなどの分野で使われます。
使うことが多い職種は、歯科医師、栄養士、言語聴覚士などです。
口蓋のかたち
一般的に人は口蓋がゆるやかな ⋂(Uを逆にしたような形)になっています。
しかし、障害がある子のなかには Λ (Vを逆にしたような形)のままになっている子がいます。
⋂ と Λ 。どちらも凹じゃないか。なにが違うの?そう思われるかもしれません。
どのような問題が起こるのかみていきましょう。
① 食べ物が挟まる
口蓋が平らでないと食べ物が ⋂ や Λ の間に挟まってしまいます。それが自分の予期しないタイミングで挟まっているものが落ちてくることがあります。それによってムセたり誤嚥したりすることがあるのです。
② 圧が高くなりにくい
わたしたちは口を閉じて食べ物を飲み込んでいます。
これは口の中の圧を高めることで食物を喉の奥へ送りやすくするためです。
圧の高い口の中 ⇒ (口の中よりも)圧の低い喉の奥
物の流れ方には「圧の高いところ」から「圧の低いところ」へという特性があります。
物を食べるとき、この特性を利用して飲み込みやすくしています。
口蓋が高かったり、Λ の形になっていると圧が高くなりにくいのです。
圧を十分に高められないと中途半端に食物が喉の奥へ送られることになります。しっかりと奥まで送れないと途中でポロポロと落ちてしまいます。その脱落したものが気道に入ったときに、ムセたり誤嚥をしたりしてしまうのです。
なので口蓋は大切。地味だけれど重要な役割を担っているのです。
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