食べること(食事・摂食嚥下)の用語説明
分かりにくい専門用語を簡単に解説していきます。
今回は「口蓋(こうがい)」です。
口蓋とは?
口蓋 / こうがい
ひと言でいうと、口の中の天井部分のことです。
上の歯(歯列)の内側部分。
口蓋について
一見、地味な口蓋。実は様々な役に立っています。
・食事
・ことば
口を使う活動で欠かすことのできない部分なのです。
口蓋のかたち
一般的に人は口蓋がゆるやかな ⋂(Uを逆にしたような形)になっています。
しかし、障害がある子のなかには Λ (Vを逆にしたような形)のままになっている子がいます。
⋂ と Λ 。どちらも凹じゃないか。なにが違うの?そう思われるかもしれません。
どのような問題が起こるのかみていきましょう。
発達的にみると?
口蓋を使いこなすには、ある程度の年齢(発達)が必要です。
◆食事
口蓋と舌を使って、口の中に入れた食物を押しつぶすことができます。
⇒ 7~8ヶ月
◆ことば
口蓋を使う音とは、舌が口蓋に当たったことでできる音のことです。「か」「た」「ら」など、様々な音があります。
⇒ 獲得年齢は資料によって異なります。
| 音 | 医療機関 | 臨床ブログ | 早見表 | ST資料 | 総合研究 |
|---|---|---|---|---|---|
| 母音・ま行など | 2歳代 | 1–2歳 | 1–2歳 | 1.5–3歳 | 早期 |
| た・な・か行 | 3歳代 | 2–4歳 | 2–3歳 | 2–3歳 | 中期 |
| は行 | 4歳代 | 3–4歳 | 2–4歳 | 3–4歳 | 中期 |
| さ行 | 5歳代 | 4–5歳 | 3–5歳 | 4–5歳 | 約5歳 |
| ら行 | 5歳代 | 4–5歳 | 3–5歳(遅い) | 4–6歳 | 約5歳 |
| 完成 | — | 6歳頃 | — | 5–6歳 | — |
現場ではこう使う
・「口蓋が高いね」
⇒硬口蓋(こうこうがい)。飲み込みにくいこともあります。
・「口蓋裂がある」
⇒生まれつき口蓋に亀裂がある子がいます。
つまずくと何が起こる?
口蓋のトラブルによっておこる問題は次のようなものがあります。
① 食べ物が挟まる
口蓋が平らでないと食べ物が ⋂ や Λ の間に挟まってしまいます。それが自分の予期しないタイミングで挟まっているものが落ちてくることがあります。それによってムセたり誤嚥したりすることがあるのです。
② 圧が高くなりにくい
わたしたちは口を閉じて食べ物を飲み込んでいます。
これは口の中の圧を高めることで食物を喉の奥へ送りやすくするためです。
圧の高い口の中 ⇒ (口の中よりも)圧の低い喉の奥
物の流れ方には「圧の高いところ」から「圧の低いところ」へという特性があります。
物を食べるとき、この特性を利用して飲み込みやすくしています。
口蓋が高かったり、Λ の形になっていると圧が高くなりにくいのです。
圧を十分に高められないと中途半端に食物が喉の奥へ送られることになります。しっかりと奥まで送れないと途中でポロポロと落ちてしまいます。その脱落したものが気道に入ったときに、ムセたり誤嚥をしたりしてしまうのです。
そのため、口蓋は大切です。地味だけれど重要な役割を担っているのです。
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