食べること(食事・摂食嚥下)の用語説明
分かりにくい専門用語を簡単に解説していきます。
今回は「食塊形成(しょっかい・けいせい)」です。言語聴覚士の視点から説明します。
食塊(しょっかい)とは?
食塊 / しょっかい
ひとことで言うと
食塊とは、飲み込みやすいように口の中で処理し、まとめられた食べ物のかたまりのことです。
①意味
「食塊」は、噛んだ食べ物に唾液が混ざり、飲み込みやすくまとまった状態を指します。
②嚥下の流れ
食べる流れでいうと「食塊形成」次のような位置にあるものです。
取り込む
↓
咀嚼する
↓
食塊をつくる(食塊形成)
↓
飲み込む
作られた食塊は、舌の働きで咽頭へ送り込まれていきます。
使い方
「食塊形成が苦手だね」
⇒ 意味:舌を使って食べ物をひと塊にする力がまだ身についていないね。
なぜ支援で大切なのか?
食塊は、安全に食べるための土台だからです。食塊がまとまることで
・飲み込みやすくなる
・ムセにくくなる場合がある
・「食べやすさ」につながる
・効率よく食べられる
ことがあります。
支援では「噛めるか」だけでなく、「食塊を形成(つくること)ができるか?」をみる視点が大切です。
発達とどう関係するか?発達の目安
食塊をつくる力は、咀嚼発達とともに育っていきます。発達の目安は下記のとおりです。
| 時期 | みられやすい発達 |
|---|---|
| 5〜6か月頃 | 離乳開始、取り込みが始まる |
| 7〜8か月頃 | 舌とあごで押しつぶす |
| 9〜11か月頃 | 初期の咀嚼とまとまりが育つ |
| 1歳頃 | 咀嚼と食塊形成が広がる |
| 1歳半〜2歳頃 | より効率的な食塊形成へ |
| 2〜3歳頃 | 成熟していく目安 |
※個人差があります。※「完成年齢」ではなく、発達していく目安として記載。
①摂食スキルの発達と障害 原著第2版(口腔運動発達の古典的テキスト)
②向井美惠 編『小児の摂食嚥下リハビリテーション 第2版』医歯薬出版
③日本摂食嚥下リハビリテーション学会関連資料
④Chigiraら(口唇機能発達研究)
現場ではこう使う
たとえば、現場で「食塊」「食塊形成」とは、次のような使い方をします。
・食塊形成が弱い
・食塊を作りにくい
・食塊形成につまずきがある
つまずくと何が起きる?
食塊形成がうまくいかないと、次のような様子につながることがあります。
| 起こりやすいこと | 背景として考えられること |
|---|---|
| 丸飲み | 十分まとまる前に飲み込むことがある |
| むせ | 送り込みとの協調が難しい場合もある |
| 食べこぼし | 口腔内でまとめにくいことがある |
| 口の中にため込む | 残留につながる場合もある |
※一因であり、これだけで説明できるわけではありません。「むせ」も関係があるかもしれない、というものです。
よくある誤解
丸飲みは「噛まないだけ」ではない
丸飲みは、
・咀嚼
・食塊形成
・送り込み
など複数が関係する場合があります。「噛ませれば解決」と単純ではないこともあります。
関連する記事
咀嚼に関係する記事はこちらをごらんください。
▶噛まずに飲み込む場合のポイントはどのようなものがあるのでしょうか?
⇒ 子どもが噛まないで飲み込む!そんなときの対応ポイント
▶丸飲みの原因を知りたい方はこちらもご覧ください。
⇒ なぜ丸飲みをしてしまうのか?
▶大人と子どもで嚙む力の違いがあることを紹介します。
⇒ 子どもの噛む力は意外と弱い!大人と子どもの咬合力はどのくらい違うのか?
関連する用語
あわせて知っておきたい用語
使われる分野
摂食嚥下(せっしょく えんげ)、リハビリなどの分野で使われます。
使うことが多い職種は、歯科医師、栄養士、言語聴覚士などです。
ちなみに・・・
「食事介助」のことを略して「食介(しょっかい)」と呼ぶことがあります。
ちょっと紛らわしいですが覚えておくとよいです。
関連する記事
食塊に関係する記事はこちらをごらんください。
【名詞】
食べ物が口の中でひと塊になったもの。
食べ物を「噛む」だけでは十分に処理することができません。舌を使って噛んだものをまとめる作業が必要となります。
舌を使って食べ物と唾液を混ぜる。そして塊を作るのです。
上手に食べられない子に対して噛む練習だけ行っても、食物がバラバラに細かくなって口から零れ落ちるだけです。
「噛むこと」「食塊を作ること」の2つが必要なのです。

