水分は何を使って飲んだ方がよい?
まだ小さい子や障害を持つ子が水分をとるときに何を使って飲んでもらうのがよいのか?
迷っている人も多いはずです。
コップ?ストロー?他にもあるの?
ストローのタイプだと大人が楽だけど・・・。
本当にいいのでしょうか?
悪い影響は出ない?
今回は、水分をとるときの飲み方やグッズについてのはなしです。
代表的な 3 つのタイプ
お茶や水などを飲むために使う入れ物は大きく分けて3タイプあります。
・コップ
・ストロー
・その他
子どもによって使っているタイプはそれぞれです。
好みで何となく使っている人が多いです。
しかし、今後の発達のことを見据えるなら適切な順番で使っていくことが大切です。
では、発達的にはどの順番で使っていけばよいのでしょうか?
発達的にはコップが先
発達的には「コップ」が先です。
一般的には何となく「ストロー」⇒「コップ」という風潮があります。
そう思っていた人も多いはず。
しかし、実際には「コップ」⇒「ストロー」なんです。
発達的な順番とは?
赤ちゃんは母親の母乳もしくは人工のミルクを飲んで育ちます。
それ以降の流れは次のようになります。
① 母乳
赤ちゃんが生まれてすぐに口にするのはお母さんの母乳もしくは人工的なミルクです。
乳首を吸う感じはストロー飲みを連想させるかもしれません。
しかし、赤ちゃんの口の中は乳首を入れるのにちょうど良い形になっているのです。
ストローを使って飲みやすい形にはなっていません。
② スパウト
スパウト(スパウト マグ)とは赤ちゃん用のカップのひとつです。
飲み口が幅広い乳首のような形になっています。
様々なメーカーから販売されています。
どの会社も対象は5~6ヶ月としています。
ただし、スパウトを使わずに母乳からコップに移行する子もたくさんいます。
③ コップ
そして、コップです。
コップを使って飲みはじめるのは、だいたい7ヶ月くらいからです。
離乳食が1日2回になったころからコップ飲みを始めます。
④ ストロー
ご存知ストローです。
スパウトの口を見ていると、次のステップは形の似ているストローを選んでしまうのかもしれません。
実際にはコップの身を上手にできるようになってからがよいです。
はやくからストローを使っていると赤ちゃん飲み/おっぱい飲み(母乳の飲み方)が癖になることも・・・。
本来なら「コップ」だけ使えればよいのです。
「コップ」がうまく使えなければスプーンを使って練習をする。
どうしても使いたいこともあるかもしれません。
そんなときは・・・
「スパウトマグ」⇒「コップ」⇒「ストロー」。
それぞれのメリット・デメリット
それではタイプによる特徴、長所や短所を見ていきましょう。
スパウト
赤ちゃん用マグの口部分の種類です。
乳首を潰したような幅広のものです。
メリット
スパウトの数部分がお母さんの乳首に似ている
⇒ 赤ちゃんはこれまで母乳しか飲んできませんでした。
乳首以外は異物です。
慣れないものが口に入るのは怖いものです。
スパウトは乳首に近い形状なので、赤ちゃんの不安をやわらげる効果があります。
デメリット
これをずっと使い続けていくと、次の段階になかなか移ることができないことがあります。
その結果、口の中の機能や成長がなかなか進まない、なんてこともありえるのです。
歯並びや舌の使い方などに影響もあります。
スパウト自体が悪というわけではありません。
部分的に使うなら便利ですし、カップを持って飲む練習にもなります。
依存し過ぎないことが大切です。
グッズの例
◆ コンビ
◆ ピジョン
コップ
どこの家にもある食具。
様々な形のコップがあります。
小さな子が使う場合には、素材や軽さ、持ち手を考慮する必要があります。
メリット
ストローやマグと比べてパーツが少ないので準備や片付けが簡単です。
色や柄も豊富なので、見た目で子どもが欲しがることも多いです。
デメリット
コップ飲みがまだ上手でない子には、大人が手伝ってあげる必要があります。
こぼれる可能性も大きい。
目も離せませんし、意外と手もかかります。
飲み方が上手でない子には大人が意識的に「正しい飲み方」を教えてあげるとよいです。
ポイントは「コップの底を下唇に乗せる」「水面を上唇につける」等を大人が意識的に行うことでステップアップにつなげられます。
グッズの例
◆ 普通のコップ
◆ カットコップ
ストロー
最近、マグにストローが付いたタイプがたくさん売られています。
おしゃれだし、なんだかかわいいものも多いです。
メリット
◆ 大人が楽
⇒ 自分でコップを持っていられる子であれば、大人が放っておいても一人で飲むことができます。
◆ こぼれにくい
⇒ コップを倒してもこぼれることはほとんどありません。
デメリット
◆ 悪癖が付く可能性が多い
ストローの飲み方は母乳の飲み方に近いです。
そのため自然な飲み方がなかなか獲得できないケースがあります。
いつまでたっても「おっぱい飲み」のまま。
そんな子は結構います。
障害がある子もない子もです。
グッズの例
◆ Smart Enjel(西松屋)
◆ ピジョン
その他:「WOW CUP」
聞きなれない名前ですが、どこでも使えるコップ型のマグです。
推奨は12ヶ月頃から。
見た目は蓋が付いたコップ(マグ)です。
しかし、このカップ、逆さにしてもこぼれないのです!
メリット
ちょっと変わったこのコップ。
◆コップ飲みの練習になる
蓋とコップの隙間から中身を吸い取るものです。
一番のメリットはコップ飲みの練習になるということです。
コップのときと完全に同じ動きとは言えません。
しかしコップへの移行のワンクッションとなります。
◆持ちやすい
⇒取っ手がついているので子どもでも持ちやすいです。
・どんな姿勢でも飲める
⇒この商品の特徴はどんな姿勢でも飲むことができるということです。
たとえば、寝転がったままでもOKです。
オススメはできませんが・・・。
デメリット
もちろんデメリットもあります。
◆ 保温&保冷できない
保温や保冷の機能はついていません。
さらに本商品は電子レンジを使うこともできません。
子どもの水筒の中身をキンキンに冷やしたいときなんてそうそうないはずです。
もちろんアツアツにする必要もないです。
最近では常温の水分は身体によいと言われていますし・・・。
値段は1,228円(税込)です。
豊富な種類
WOW CUPにはいくつかの種類があります。
これらの違いは形状と対象年齢です。
商品名 | WOW CUP mini | WOW CUP ベビー | WOW CUP kid's |
対象年齢 | 9ヵ月頃~ | 12ヵ月頃~ | 18ヵ月頃~ |
価格 | ¥1,628 | ¥1,628 | ¥1,628 |
容量 | 350ml | 207ml | 296ml |
WOW CUP mini
⇒ タンブラー型のワオカップです。
WOW CUP ベビー
⇒ 左右に持ち手が付いたコップ型のワオカップです。
WOW CUP kid's
⇒ グラス型のワオカップです。
まとめとして
今回は、子どもは水分を何で飲むのがいいのか?という説明をしました。
発達的(年齢的)には
「母乳」⇒「スパウト」⇒「コップ」⇒「ストロー」
の順番で練習していくことが望ましいのです。
変な癖をつけないために、先を見据えた道具の選択は大切なポイントです。
よかったら参考にしてみてくださいね。