言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

新型コロナウイルスと学童&放課後等デイサービス④「外部専門家」

緊急事態宣言と放課後等デイサービス

4月7日に緊急事態宣言が発令されました。


今回、対象となる地域は、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県。期間は、4月8日~5月6日の予定となっています。

放課後等デイサービスも国や自治体からの指示を待っている状態です。

待っているだけではなく、子どもを受け入れながら、ウイルスやその感染におびえながら、毎日を過ごしています。

実際の放課後等デイサービスはどうなっているのか?

今回は、放課後等デイサービスに関わる専門職の問題も考えていきたいと思います。

 

 

現在の様子

自治体から福祉施設の停止の要請は、まだ出ていません。(4月8日現在)

特別支援学校も、地域によっては休校にしたり、開いていたりとバラバラです。

休校であっても、必要な子は登校できる学校もあります。

放課後等デイサービスは、学校があるかないかで活動が大きく変わります。

学校が午前中のみだったら、施設で昼食を食べるますし、休校ならば、午前中から施設で活動をします。


同じ放課後等デイサービスに通う子でも、学校が異なるというケースも多いです。

特別支援学校も「知的」「肢体」「聴覚」など、障害種別にざっくりと分かれています(今は、合併の動きもあるようですが・・・)。

そのため、今回のコロナウイルスの件で、支援校の対応が異なると、子どもによって施設にやってくる時間が異なるのです。

・A君は11:30まで学校

・Bさんは14:00まで学校

・Cさんは休校

こういったケースがあるわけです。

学校ごとに事情があることも分かります。

仕方がないのですが、これも放課後等デイサービス側が振り回される要因のひとつでもあります。

 

 

外部専門家はどうしているのか?

放課後等デイサービスには、外部から様々な専門職が来てくれます。

理学療法士(PT)

作業療法士(OT)

言語聴覚士(ST)

それ以外にも、音楽療法士(MT)。

プールの指導、サッカー指導など、本当に多くの先生やコーチが参加してくれています。

その多くが非常勤という立場です。

普段は、学校の自立活動に参入しているけれど、空いている日に放課後等デイサービスにも来てくれる。

そんな先生方がたくさんいます。

今回、特別支援学校が休校もしくは縮小となっています。

授業もないので、フリーの外部専門家たちは、学校の仕事がキャンセルとなっています。

学校で仕事が出来ない=収入が減る

特別支援学校の給料(外部専門家) は他の領域のものと比べると、金額が高い傾向にあります。

そのため、フリーのPT、OT、STの先生方も、学校の仕事をメインに活動している方が大勢います。

「3月から学校の仕事がなくなった」

学校で働いている外部専門家の先生方から、さいきんよく聞くセリフです。

「収入が大幅に削減された」

国は保障をしてくれるのでしょうか?


 

フリーランスとその保証

今回、フリーランスで働く多くの人たちはダメージを受けています。

フリーランス協会・代表の平田氏は下記の様に話しています。

「自由を選んだのに保障を求めるのはわがままだ、不満なら独立すべきではないという自己責任論はあるけれど、出産や介護などのライフリスクは働き方に関わらず誰もが背負っています。政府も自由な働き方を後押しするなら、相応の整備をしてほしい」

と、平田は訴える。

一方で、平田は「協会は労働組合ではない」とも強調する。自分たちの目先の権利を勝ち取ることより、労働市場全体のバランスを見ながら、働き方の選択肢を増やしていくという社会活動の機能を重視しているという。


BUSINESS INSIDER
https://www.businessinsider.jp/post-210303

 
PT、OT、STの働き方も拡がっていけば、コメディカルの仕事の幅も広がるはずです。

では、国の保証は?というと、少しずつですが見直され始めているようです。

下記は、経済産業省が出したパンフレットです。

 

経済産業省
新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf

 

 

 

 学校が休みなら放デイに行けばいいじゃない

特別支援学校で仕事が出来ないなら、開所している放課後等デイサービスで働けばいいじゃない

そう思われる方もいるかもしれません。

学校では現在のところ

・教員も自宅待機や在宅勤務にする

・自立活動もないので外部専門家は休んでもらう

学校が活動を自粛・縮小しているのは、感染を最小限に踏み留まらせたいからです。

学校に出入りする人を最小限にしたいわけです。

学校がダメなら放課後等デイサービスに行く

感染予防の面から考えると、これは得策とはいえません。

私たちの役割は、子どもの安全を守る、のですから。



今後

自治体からの指示が明確でないため、放課後等デイサービス自体がどうしたらよいのか迷っている状態です。

対応も事業所ごとに大きく異なっています。

外部専門家への対応も異なっています。

今後、放課後等デイサービスは、今までお世話になってきている外部専門家に何をしてあげられるか?

・今は、呼べないけれど、終息後に多めに施設に来てもらう

・施設内研修の講師を外部専門職に依頼して収入の足しにしてもらう


今は、どの放課後等デイサービスも、

・子どもたちのこと

・保護者のこと

・従業員・スタッフのこと

で頭がいっぱいだと思います。

これまで、あなたの放課後等デイサービスを支えてくれていたのは上記の人たちだけではありません。外部専門家たちも支えてくれた仲間です。

 

そのことだけは、頭の隅に置いておいて欲しいです。

 

 

まとめとして

外部専門家の現状

・フリーのPT、OT、STの収入は激減

・特別支援学校だけでなく放課後等デイサービスにも入れない状態

・放課後等デイサービスは、外部専門家に何をしてあげられるか?

 

 


参考資料

緊急事態宣言発令後は、厚生労働省から放課後等デイサービスに関連した『障害福祉サービス等事業所における新型コロナウイルス感染症への対応等について』の通達はないです(4月8日現在)

 

 

 

 

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