言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

言語聴覚士のわたしが専門書を読む2つの理由とは?

言語聴覚士のわたしが専門書を読む理由

専門書を読んでいますか?

ビジネスマンでなくても自分の分野の専門書を読んでみることをオススメします。

わたしは言語聴覚士(ST)として放課後等デイサービスに勤めています。そこで毎日、障害を持った子どもたちと関わっています。

そんな職業でも年間何十冊も読んでいます。そこで様々な知識を手に入れられます。それ以外にもメリットがあります。それは専門書を読むことで自分の頭の中を整理できるということです。

今回は、専門書を読むメリットや本選びのポイントを説明します。

 

 

 

専門書とは?

専門書とは特定の分野を研究した書物のことです。

小児の分野で働く言語聴覚士(ST)は、何らかの障害や疾患を持っている子と関わることが多い職業です。

そんなSTが読む専門書は下記のようなものがあります。


・言語療法・・・ことばの遅れに関するもの
・聴覚障害・・・難聴や聾(ろう)に関するもの
・各種疾患・・・ことばや聞こえ、飲み込みに関わる疾患
・各種発達・・・言語発達、認知発達、
・発達障害・・・自閉症やADHDなど
・摂食嚥下・・・食べること全般の能力に関するもの



専門書を読むメリット

言語聴覚士になるためには国家資格が必要です。。

「養成校でいろんなことを勉強してきたんでしょ?」
「今さら勉強が必要なの?」

そんなふうに聞かれることもあります。

 

はい。必要なんです。

 

読むことで得られるメリットはたくさんあります。代表的なものが次の2つです。

新しい情報を手に入れられる
頭の中を整理することができる

 

 

新しい情報を入れられる

小児の言語聴覚士は一人職場(同じ職業の人が自分以外誰もいない職場)であることが多いです。

本来であれば同業の先輩から教えてもらうのが理想なのですが、それができません。そのため、知識を蓄えるためには、本や研修会を活用するしかないのです。

本を使えば自分の好きなタイミングで、好きな情報を手に入れることができます。

 

 

頭の中を整理することができる

もうひとつの大きなメリットが頭の中を整理できるといこと。

普段から仕事をして経験的に身についてくるものはたくさんあります。その「経験」を「知識」として身につけるためは、時々、自分のなかで整理してあげる必要があります。

そのときに専門書が活用できるのです!

難解な専門書というよりは、あえて「慨論的な」本を読むのです。概論的な本というのは入門書的な内容の本です。

・発達障害はこんな子がいます
・食事のときは○○に気をつけましょう
・こんな訓練がありますよ

的な、専門家が読むと「なんだよ、これ。もっと深いことを書いて欲しいかった」と思うような本です。

あえて入門書的な本を読みます。

こうして自分の経験と照らし合わせることで、このスカスカな概論的な本を頭の中で補完できるようになるのです。

 

たとえば次のように書いてあったら、どのように読み進めればよいでしょうか?

・発達障害はこんな子がいます
・食事のときは○○に気をつけましょう
・こんな訓練がありますよ

 

下記のように考えることができるはずです。


ex. 発達障害はこんな子がいます

⇒ 発達的に○○が獲得できないからこういうふうになるんだな。発達障害以外の障害の子にも同じような症状の子がいるな。

 


ex. 食事のときは○○に気をつけましょう

⇒ こういう理由があるはず。スタッフのなかには理解しにくい人がいるかもしれない。だったらこういうふうに伝えてみよう。

 


ex. こんな訓練がありますよ
⇒ あの子に使えるな。訓練としてではなく遊びに取り入れてみよう。

というように頭を整理できるのです。「使えない」と思っていた入門書にも活用方法があるのです。

 

専門書を選ぶときのポイント

専門書といっても様々なタイプがあります。タイトルや表紙だけで本を選んでしまうとだいたい失敗します。ポイントは下記のようなものを気にすることです。

出版年が新しい本
著者が信頼できる人か?

 

① 発行年月日はいつなのか?

何年前に出版されたものかをチェックしておくことが大切です。療育や医療の分野は常に情報が入れ替わります。以前は「当たり前」と言われていたことでも、数年たつと「誤った過去の常識」になってしまうものも多いのです。

・障害の分類
・訓練法
・その他の基準や分類

などは情報が変わっている確率が高いです。

 

② 著者はどんな人なのか?

これも大切。誰が書いたか?というよりは著者の属するものを調べるとよいです。

 

どこの団体に所属している人なのか?
⇨ 団体によって考え方に違いがあります。「これだ!」と思える本に出会えたら、その団体の他の著者を探せばもっと理解を深められます。

 

どの職種が書いたものなのか?
⇨ 自分と同じ職業や資格の人が書いたものを読むと勉強になります。その職種の独特な視点を学ぶことができるからです。わたしも言語聴覚士(ST)の先生方が書いた本を片っ端から読んでいます。

 

※ただし、名前が売れているセンセイの本が必ずしも良書とは限りません。逆に言えば、普通の臨床家が書いた本でも心に響くものはたくさんあります。

 

 

頭の中を整理するためのオススメ専門書

いままでに紹介した本をあげていきます。

 

発達関連の専門書

たとえば「発達」に関する本。

すべての「発達」を丸暗記することは難しいです。そんなときに専門書を参考書的に使っていくとよいです。

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障害児に関する本

障害を持った子たちのことが書かれた本もたくさん出ています。内容が物足りないかな?という本が多いのですが、うまく活用することで何倍にも価値が上がります。

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障害種別の本も山のように出ています。ここではダウン症に関する本を紹介します。

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教材教具に関する本

教材や教具というような療育で使う玩具の本も結構出ています。

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療法、支援方法などの本

ひとり職場で、かつ経験が浅い支援者やセラピストにオススメできる本もたくさんあります。

ここでは障害を持った子どもをとらえやすいと評判の「感覚と運動の高次化理論」に関する本を紹介します。

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まとめとして

今回は、言語聴覚士のわたしが専門書を読む理由を説明しました。

福祉の仕事で専門書?と思われるかもしれません。しかし、勉強になること間違えなしです。

本を買うのが難しかったら、図書館でも電子書籍でもよいのです。よかったら参考にしてみてくださいね!

 

 

 

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