一人職場の専門職のバイブルを紹介します
子どもの発達をとらえることができる『感覚と運動の高次化理論』の本を紹介します。
感覚と運動の高次化は、子ども一人一人の発達の凸凹(得意不得意)をみることができるアプローチです。
その感覚と運動の高次化関連の本が久しぶりに出ました。
『感覚と運動の高次化理論からみた発達支援の展開』待ちに待った新刊です!
どんな本なの?
とうとう出ました。
感覚と運動の高次化理論の新刊です。
著者は淑徳大学の池畑先生です。
池端先生は、毎年行われているこの理論のセミナーで、毎回、講師をしておられます。
私も毎回参加しています。
そのときの内容も今回の本に盛り込まれています。
これまでの障害児の支援や研究は
・健常児の発達の流れに乗せる
・障害自体のせいにする
・親のしつけのせいにする
という子どもから目を逸らすという本末転倒な流れが少なからずありました。
感覚と運動の高次化理論でも、健常児の発達は視野に入れています。
しかし、それよりも目の前にいる子どもの現状を重視しています。、
・どこでつまずいているのか?
・どんな状態なのか?
おすすめする理由
淑徳大学と関わりのない私が、なぜ感覚と運動の高次化理論をお勧めするのか?
わたしは言語聴覚士(ST)の資格を取ってからすぐに小児の施設で働き始めました。そこは、STがわたし一人しかいない職場でした。
年数を重ねていけば何とかなるかな?と考えていました。
しかし、何ともなりません。
養成校で学んだことだけではしっかりと子どもをみることができません。
そこで毎日のように専門書を読み漁りました。
そこで出会ったのが『感覚と運動の高次化理論』の本だったのです。
子どもを理解するための方法が書かれている
この理論から、
・子どもを理解する姿勢
・子どもの見方
・発達の凸凹を捉えることの大切さ
を学びました。
宇佐川浩 著の『障害児の発達臨床』という本の1巻&2巻です。
今でも読み返している大切な本ですでにボロボロになっています。
子どもを理解するために
感覚と運動の高次化は子どもを理解するためのツールというか考え方が書かれています。
決して「How To本」ではありません。
この理論の特徴は次の通りです。
① つまづきの意味を考える
② 障害のカテゴリー分け
③ 問題行動を捉え直す
つまづきの意味を考える
「つまずき」とは発達が止まったり遅れたりしている部分のことをさします。
・発達のどこにつまずいていて、つまづきを持ちながら育つとはどういうことなのか?
・そういう子たちにどんな支援ができるのか?
何に困っているのか?を知るためのポイントとなります。
いまどんな発達段階にいるのかを知る
子どもを障害名ごとに分けて考えるのではなく、発達段階はどのくらいなのか?を重視します。
この障害だから、こういう支援をおこなう!
というような思い込みではなく、症状の違った子ども一人一人をみることが大切です。
問題行動を捉え直す
子どもが問題行動をしたからといって、すべて障害や特性のせいにするのは少し無理があります。
「問題行動」はなぜ起こるのか?
原因があるのではないか?
「問題行動」を発達のアンバランスさからくるものと位置づけて考えていきます。
本の内容は?
3部構成となっています。
第1部
⇒ 感覚と運動の高次化理論とはどんなものなのか?
第2部
⇒ 感覚と運動の高次化理論の特徴
第3部
⇒ どのようなアプローチがあって、どうやって展開させていくのか?
まとめとして
今回は『感覚と運動の高次化理論からみた発達支援の展開』を紹介しました。
障害児に関わるすべての職種の人に読んでもらいたい本です。
・支援に行き詰っている
・どんな理論を学べばよいか迷っている
そんな人にも一度読んでもらいたいです。
もちろん一人職場の新人療育家にもオススメできる本です。
よかったら参考にしてみてくださいね。
『感覚と運動の高次化』その他の本
宇佐川浩先生が書かれた著書には下記の本があります。