STの資格取得のすすめ
言語聴覚士は国家資格です。いま、まさに資格を取るために、養成校に通うか悩んでいる人もいると思います。
STとは?
言語聴覚士とは、大雑把にいうと、
・ことば・・・言語・音声・コミュニケーション
・きこえ・・・聴覚
・のみこみ・・摂食・嚥下
の専門家のことです。STと混乱しがちな、PTやOTと比べると、歴史は浅いです。しかし、資格化する前から、言語療法士などの先生方が積み重ねてきてくれたものがあるので、療法の内容自体はしっかりしています。
通信講座でも取れる資格なの?
答えはNOです。養成校もしくは専門の大学を卒業することで、受験資格をもらうことができます。
現在、他の仕事をしている人も夜間部という手があります。学校にもよりますが、夜間部は18:00~21:00くらいの学校が多いようです。そこで4年間通います。昼間であれば3年間、もしくは2年間通います。近年、大卒者対象だと2年で受験資格を得られる、という学校が増えてきました。そのため、昼間部は学校によって華陽年数が異なります。
夜間部は働きながらだと学校へ通うのも大変ですが、同じ志を持った人たちと一緒に勉強できるというのは心強いです。
いつ取るのがいい?
「STになりたい」と決めたときでよいと思います。私が通っていた養成校でも、高校卒業したての人から、40歳台の人もいました。男性も増えてきています。若いときに資格を取れば、その分、STとしての経験を積むことができます。逆に、30台、40台の人は、今までの社会人経験が役に立ちます。必ず。
STの魅力とは?
分野が広いので、自分が働きたい分野を選ぶことが出来ます。STの働く分野は大きく分けて3つあります。
◆成人の分野
⇒脳卒中後の失語症や神経筋疾患の音声障害などの訓練など
◆聴覚の分野
⇒補聴器や人工内耳、難聴児者の訓練など
◆小児の分野
⇒発達障害、肢体不自由児など
放課後等デイサービスは、小児の分野に含まれます。もうひとつ、STの魅力として挙げられるのが、「転職しやすい」ということ。STの資格を持っているだけで、転職が楽になります。分野や勤務地を選ばなければ、いくらでも転職先はあります。これは、スキルアップで職場を変えたい時にも有効です。
隙間がたくさんある
小児の分野でいうと、検査や評価、訓練、相談などが、いわゆる“STらしい”ことだと思います。その中で、放課後等デイサービスのSTは、施設によって何をやっているのかが、本当にバラバラです。個別訓練が中心のところもありますし、発達検査中心のところがあります。実際の保育に入りながら評価を行ったり、スタッフへの提案などが中心のところもあります。
放課後等デイサービスで働く際には「施設側がどのようにSTを活用したいか?」と「自分はSTとして、どんなことがしたいのか?」をすり合わせていくことが大切です。その中で、少しずつ、自分のやりたいことを“ねじ込んでいく”ことが、楽しく働くための第一歩です。
放課後等デイサービスには、まだまだSTが入り込んでいける隙間がたくさんあります。
放課後等デイサービスではマイナーな職種。PT、OT、ST
全国の放課後等デイサービスの事業所数が、2016年現在で7000箇所を超えました。 重症心身障害児(いわゆる重心)が通えるようにするためには、PT、OT、STのような専門職を置くことが義務付けられています。
放課後等デイサービスを全国的に見てみると、重心の指定を取っているところは、あまりありません。なので、専門職の業務や扱いも各事業所によって異なってきます。
専門職の絶対数も少ないため、他の事業所の言語聴覚士(ST)はどんなふうに働いているのか知る機会がなかなかないと思います。特に、資格を取ったばかりの新卒者が放課後等デイサービスに就職したが一人職場だった、ということはよく耳にします。現に私もそうでした。
そんなマイナーな職種がどのように放課後等デイサービスで働いているか、私自身を例にお話ししていきたいと思います。
私も、放課後等デイサービスで働き始めてまだ数年しかたっていませんが、一人職場でいろいろと迷っている新米STの方の手助けになれれば嬉しいです。これがスタンダード、という意味ではなくて“一例”として読んでいただければ、と思います。
(2016.7.1 17:30投稿)
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